心美はゴクンと三ツ矢サイダーを飲むと、あたしを見つめ返した。
「要するに、好きの系統が違うのよ。ほら、LikeとLoveが違うみたいに」
「子供の恋愛ごっこ…」
あたしはぽつりと呟いた。
それは以前に優斗さんに言われた言葉。
あたしの気持ちを全て否定されたような気がしたんだ。
それは全て、子供の考えだって。
「あー。それが表情的に合ってるかも」
心美はあたしの鼻に人差し指を、ちょんっと当てた。
「え?何が?」
なんのことか分からず、目が寄り目になる。
「寄り目しないでっ!笑えるッッ!
あ、子供の恋愛ごっこって表情の事ね!」
心美はそっと人差し指を退ける。
「なんかねぇ、杏里はヒロ先生の表面だけを見て、それだけで好きになったって感じでしょ?
そんな相手に重い女なんて言われても、関係ないのよ。
あっちも多分表面だけだと思うし。
肝心なのは心から想った人に、自分がどう接して、自分の中の愛をどう相手に表すか。じゃないの?
その人にその時重いって思われたとき、初めて自分は重い女なんだって思った方がいいんじゃない?」
心美の言葉は、あたしや友美の神経を集中させた。

