[完]大人の恋の始め方





「実は…今一緒に住んでるの…」


その言葉を聞くと、心美は暫しフリーズ。



目の前に手を出して呼び掛けてみても、なかなか戻って来ない。



「ねぇ友美?」



戻って来ない心美を不思議に思いながら、友美を見る。



「何?」


「あたしが男の人と住んでるのってそんなに変?」



その質問に、素早く頷く友美。



なんだか最近は、変な感じもしてこなくなってしまった。




「変もなんも、男嫌いの杏里に関しては、おかしすぎるからね~」



と、今度はチョコレートに手を伸ばす。


「ちょっと心美!いい加減帰ってきて!」




と、思いっ切り心美の肩を叩くと、やっと戻ってきた。



「えっ!?あ、…え?!」



ほんとに飛んでいたらしく、相当焦っている。



「驚くのも無理ないよね~。友も最初は顎外れそうだったもん」



「え?何、何があったわけ?高杉優斗とどこで会ったのよ?!そもそもなんで同棲!?」



なんだか一気に質問され訳がわからなくなったあたしは、一緒に暮らすことになった訳を話した。




「へ~っ!杏里羨ましいっ」



なんか、その反応前にも受けたな。



「最初は、慣れなくて凄い困ったよ」