「友美を借りに!」
あたしの言葉に「そっかぁ!」と答えると、キッチンに入っていく。
「杏里そういえば、モデル始めたんだね~!」
冷蔵庫からオレンジジュースを取り出しながら言われた。
「あーうん。ドレスのね」
「ドレスよく似合ってるよ~っ。でも、杏里はいつかデビューすると思ってた~」
「嘘~?!あたし絶対ありえないって思ってたんだよ~??」
あたしの返しに、ドヤ顔をしながらジュースを渡される。
「何そのドヤ顔~!てか、今更だけど髪染めたんだね~」
「ほんと今更だなぁ~。綺麗な色でしょ?」
あたしは頷きながら、まじまじとその髪色を見た。
心美は、元々真っ黒な髪をしていた。
だけど今は、モンブランのような色をしている。
派手過ぎない感じが心美っぽい。
友美はどっちかというと派手系。
心美は落ち着いたお姉様系だ。
「あれ?でも学校染めるの禁止じゃないの?」
うちの学校は禁止なのだが、友美は読モだからという理由で許可が出ているのを最近知った。
「あー、心も読モだからっ」
…………はい?
「うそ?」
「嘘じゃないよー!友と一緒にスカウトされたの!!」

