[完]大人の恋の始め方






そんな友美を怒らせるのは、学校一の鬼教師を怒らせるよりも恐ろしい。



その辺のちゃらんぽらんな男子なんて、屁でもないのだ。




「友美、落ち着いて?」



「どこが落ち着いてられるのよっ!んも~、顔だけなんだからぁ~」



あたしは一歩離れた所から、苦笑いを浮かべた。



「杏里は、ヒロ先生の事、ムカつかないの!?」



「うーん…ムカつくってゆう感情は全然ないかな。怖いし…。
それに、今は優斗さんの方が気になるし…。」



今、優斗さんは何を思ってるのかなぁ…?



あたしは、貴方のそばにいたらダメなのかなぁ?



あたしは無意識に携帯を開いた。



「杏里さぁ、優斗さんとどうなりたいの?」



怒りを鎮めた友美が、再びあたしの隣に座る。



どうなりたいか。
そんなの決まってる。



「仲直りしたい」



いつぶりだろう?
仲直りなんて言葉使ったのは。


ちょっと子供っぽかったかな。と、友美を見れば、吹き出して笑い出した。



「なんか小学生みたーいっ」



「それ、あたしも思った~」



その時、丁度鳴った携帯。



ディスプレイを見ると、どうやら優斗さんからもメールらしい。