[完]大人の恋の始め方





「ねぇ?二人ともお似合いだし、この際つきあっちゃえば?」



どうやら付き合っていない事が、やけにふに落ちない様子の母。



「何言ってんのよ。あたしと楽さんは、ありえない」



第一、お似合いってのは楽さんに失礼だ。



楽さんは綺麗な顔立ちをしている。



一方あたしは、どこにでもいるような顔か、それ以下。



どう考えても、不釣り合いってのが正論だ。




「でもー、まんざらでもないんでしょ?ねぇ、楽さん?」



ニコニコ笑顔の母は怖い。



こういう事を平気で言っちゃうから…。



「何言ってんのよ!楽さんにも失礼でしょーがっ」



この会話に、ただ笑うだけのパパ。



少しは止めてよーっ!
あんたの嫁でしょーがっ!



「あらそぉ?楽さん、失礼でした?」




…………バカだ。
完全なバカだ。



今更だけど、しっかりと核心した。



「誰が本人に確認しろなんて言ったのよ!聞かれて失礼ですなんて言う人いるわけ無いじゃないっ」



「そぉなの?」



アンタは、今までどんな生活してきたんだーっ!!!




ダメだ。疲れる。



「ふふっ。お母さんと息ピッタリだな?」



「楽さん…どこ見てそれ言ってるんですか…」