「とりあえず、長話も何だし。店に上がって話そう。楽さんも是非」
ただたんに、立ってるのが疲れた父が、店に上がるのを催促する。
「楽さん、どうします?」
「予定も無くて困っていたし、上がらせて貰いたいな」
ふたたびキラキラフェイス。
なんか楽さん、この二人に会ってからキャラと、表情が変わった?
不思議に思いながらも店内へ。
オシャレな店内は、白いテーブルクロスと、白い椅子。
テーブルの上には、綺麗な花が飾られ、床はピンク色の石の様な模様が描かれていた。
ドラマに出て来そうな、こんな内装は見覚えがない。
「店内改装したの?」
椅子に座りながら尋ねれば、父は一瞬驚いた表情を見せた後に、微笑んだ。
「あー、だいぶ前にね。」
あたしが最後に来たのは中学2年の時。
もう4年も前になる。
「前の雰囲気も好きだったけど、この雰囲気もいいねーっ」
ここにきて、初めてにこやかな顔をしたかもしれない。
「杏里が気に入ってくれたならよかったかな?」
う~ん。
パパって、バカだけどいいパパだよなー。
なーんて、考えてみたり。
とここで、ウエイトレスさんが、フレンチトーストを運んでくる。

