[完]大人の恋の始め方





あたしの額に、何か柔らかいものが触れた。



ほんの一瞬。



「……え?」


何が起きたの?



固まっていると、意地悪な優斗さんの顔が、あたしの顔を覗き込んだ。



「なーに、固まってんだよ?」


いやいやいや!!!
固まるって!!


目をパチクリさせていると、隣で物凄いいやらしい目をした友美と目が合う。



………ッッ!!!
わすれてたっ!!!



「へ~♪杏里ったらぁ~」



にやける友美を、とりあえず自室に連れ込む。



適当に座らせて、あたしもその目の前に座る。



「あのっ…今のはっ…」


てゆーか、今あたしは何されたの?!


もう、頭の中がぐちゃぐちゃだ。



「杏里ったらぁ、意外と進んでたのねぇ♪おデコにちゅーが普通なんだもんねぇ♪」



ニマニマと笑う友美の顔は、顔面崩壊って言葉がピッタリだ。


せっかくの可愛らしい顔が台なし。



「あのねっ!?あたし達、そんな関係じゃないからっ///」


確かに、キスはしたことある。


でも、事故ってゆうか、互いに思った物ではない。



「杏里はさぁ、優斗さんのどこに惚れたの?♪」


さっき渡したオレンジジュースをズズッと飲みながら、ニンマリとあたしを見てくる。