やっぱり、あたしには無理だと、思ってしまう。



「何ショボくれてるんだよ」



下を向いていると、後ろから肩を叩かれ、即座に振り返る。


「優斗さーん…っ」



あたしは、思わず優斗さんの腕を掴んだ。



「なんだよ?どうした?」



なんだよとか言いながら、心配してくれる優斗さんに、安心する。



「笑えないの。こんなに、表情が難しいなんて…」



すると、あたしの耳にキスする優斗さん。


ちょっとー!!!///


「ななな何!?///優斗さんッッ」



ムッと優斗さんを睨めば、優斗さんは何?と言わんばかりにとぼけてくる。



「もぉっ!優斗さんのバカッッ」



あたしは、それだけ言うと再び撮影に向かった。



そして、フラッシュがあたしを包む。



驚いた。



普通に笑える…。



カメラマンさんも驚いているようだ。



「はい、オッケー。次いこう」



優斗さんが来てからは、驚くほど、スピーディーに撮影が進む。



メイクも、優斗さんがドレスとあたしに合わせて、施してくれる。



「あら、杏里ちゃん♪可愛いっ」



優里花さんが、あたしに抱き着く。



「うへっ!!優里花さん、苦しいー!!!」