[完]大人の恋の始め方





答えなんて、決まってるも同然だ。



「…やらせて、頂きます」


はぁ…
あたし、こんなパーティーで、どんな契約させられてるのよー!!!



自分で自分を叱りたくなるものだ。



「何騒いでるんだ?」



あたしの後ろの上の方から、低い声が響く。



「…あ、優斗さん」



優斗さんの姿を見るなりなんなり、あたしの身体を引く優里花さん。



そして、あたしの耳に、その唇を近付ける。



いわゆる、内緒話スタイルだ。



…ちょっと。
同性でときめくって、どうなのよ?



「優斗に、うちの専属モデルになった事、伝えて?」



えっ?!と、優里花さんを見れば、完全に拝んでいる。



「ちょっと待って下さいよぉ!無理ですッッ」



反論を試みるが、優里花さんは依然として拝んだまま。



まぢで、あたしが言うの?



変な汗が、額を伝うのは、いつぶりだろうか?



………たぶん、最近だよね。



「何なんだよ、お前ら。なんかあんなら言えよ」



優斗さんは、ぐじぐじやるあたし達に、嫌気が 指したようだ。



「ほらっ!杏里ちゃん、頑張って!」



あたしは、とりあえず息をする。