[完]大人の恋の始め方






「たぶんね、やらないと片山さんが、無理矢理にでもスカウトすると思うわ。」



あたしは、優里花さんの言葉に、失言する。



………つまり、何?


頭が、こんがらがるんだけど!!


あたし、芸能人にはならないんだよね…?



そうだよね?



「あの…あたしは、芸能人にはならなくて……?」



「我社の専属モデルよ」



え~~~~~???!!!



専属モデル!!??


ちょっと待って?!


このドレスの、あのお店の専属モデル!?!?



「いやいや!あたし無理ですよっ!第一スタイル悪いですからッッ」



「あっ!それは心配いらないわよ?」



何を根拠に言ってるのよーっ!!!



優里花さんは、困った顔をしながら、目を逸らす。



「問題は優斗よねぇ。あの子、杏里ちゃんを世間に出すの嫌がってたし……」



いやっ
その前に、あたしの意見でしょ!?


存在を否定なんですか?!



「杏里ちゃんは、やるしか無いのよ?それとも、片山さんのところ行って、沢山テレビ出して貰う?」



笑顔であたしに問い掛ける彼女は、さすが優斗さんのお姉様。


かなりの意地悪ですね……。



あたしがテレビを嫌がってるの分かってて、言うんだから。