四月。
今、入学式を終えた俺、山崎ヒロトは昼休みの校庭を1人ブラブラしていた。

現在、友達と呼べるヤツは…0
そりゃそうだ。
入学してまだ一時間半と十数秒。
友達探しがてら校庭を歩いていた。

歩いていると、桜の木の下で本を読む1人の少女が目にとまる。
普段、あまり社交的ではない俺は話かける勇気もなく、ただ遠くから見つめるばかり。

今、思えば、一目惚れだわ。
彼女は先輩。リボンの色で学年を分けているウチの学校ならではの白いリボンで分かった。三年生か。

うはっ…!

しまった。目が合った。
見つめ過ぎた…このスケベ野郎!
すぐさま、俺は一目散に逃走。

胸のポケットにしまっていたシャーペンを落としたのを気付かずのまま…

俺の消えた校庭に残るシャーペンを拾う1人の少女。
どうやら俺のメロメロの、あの少女だった。

翌日
教室で寝ていた俺の頬にツンっと柔らかい指先が当たった。まさかのご対面。

「わっ!」

「おどかしちゃった⁈ゴメンなさい…」

目の前に居るのは昨日の白リボン少女。
シャーペンを届けにわざわざ、クラスまで来てくれたそうだ。

「あ…ありがとうございます…」

「いいのよ。生徒会長として当然なの。」

生徒会長だったわ。彼女。

ガタッ…!

彼女を見た途端に立ち上がる1人のクラスメートの女子。
ツカツカと近づいて発言。

「あなたリア充、つまり毎日が充実しているわよね?」

クラス一の美少女の春風マナが生徒会長に向かって指を指し、問い詰めた。

アホなのだ。クラス一の美少女。
春風マナは。