譲る葉

自分でも、最低だなって思った。

でも、それぐらいしかなかった。

私には何もやりたいことがなかったから

下手に自分の夢を「作っても」

ボロがでるだけだから

身体は、無駄に丈夫だったから(いっそのこと、余命半年とかそういう重病にでもかかればよかったのに)

それも言い訳の材料には使えない。

と、すると、残された方法はもうこれぐらいしかない

都合よく、後味を残さず会社を辞める方法―

家族を、利用するしかない

ここからが、悲しみの始まりだったなんて

私なんかには到底知る由がなかった。