くるりと、大きな琥珀色の瞳がこちらを向いた。 それでもその瞳は俺を映していないような気がしてならない。 この違和感は何なのだろうか。 「…楽譜、下まで行ってるぞ」 突き付けた楽譜を見るように視線を動かした彼女を、俺は心底面倒そうな目で見た。 彼女はそれに気付かないようで、何も言わずに楽譜を受け取った。 そして、俺は思わず訊いてしまったのだ。 「そんな所で何をしてるんだ」 、と。