「寧々ちんは天神学園に入学したばっかりだから知らないかもだけどね」

帽子を返しながら、雛菊が言う。

「この学園には、ちょっとやそっとじゃ驚かない人ばかりなんだよ。だって妖怪や人外なんて珍しくないんだもん。そんな角じゃ、廊下で擦れ違ったって振り向いてもくれないよ?」

屈託のない雛菊の笑顔に、寧々は目を丸くした。

「皆さんは…」

笑顔を返す仲間達に。

「世間知らずの阿呆なのですか」

「「「そこ毒舌で返すのかよっ!」」」