ウエットティッシュで顔を拭きつつ、雛菊を見る疾風。

「何だ、藪から棒に」

「だってピンク色って…どう考えたって女の子が選びそうな趣味じゃあん」

ニヤニヤ笑う雛菊。

「え、なになに、疾風君のカノジョ?」

撫子が話題に食いつく。

「…別に付き合ってるなんて言った覚えはないけどな」

素知らぬ顔で箸をすすめる疾風。

「別に照れる必要はないと思うです」

タロタロを膝に抱いたまま、寧々が言う。

「そうだよぉ、カノジョにプレゼントしてもらうなんていいじゃん」

雛菊がニパッと笑った。