そう天気予報のお姉さんが言っていたので、丹下 雛菊(たんげ ひなぎく)は弟のスペシャルバカを、近くの天神公園に場所取りに向かわせた。

夜通し、一番大きな桜の木の下にブルーシートを広げて死守しろという指令を下したのだ。

修行の時間がなくなるだの、めんどくさいだのと渋るスペシャルバカだったが、言う事を聞かないと無口少女に浮気していたと吹き込むだの、毒舌教師に早くも2年留年希望だと吹き込むだの、生徒会長に上等切ってたと吹き込むだの、屈託なく笑いながら脅迫する。

最近だんだん腹黒くなってきたお姉ちゃんである。

「まぁ大丈夫だよ、天気予報では夜も暖かいって言ってたから。夜の散歩がてら行って来てよ」

雛菊はそう言ってニパッと笑った。