・・・最悪だ。まさか、冬子が教室に帰ってくるなんて、思ってもみなかった。


立ち尽くす冬子に、オレは声をかけた。

「冬子・・・」

冬子は教室を飛び出した。

オレは、冬子を追いかけた。

冬子だけは、絶対に失いたくなかった。

斗真とぶつかった冬子は泣きじゃくっていた…

斗真がオレに近づいてくる。


思いっきり、殴られて、オレは倒れこんだ。

冬子をまかせられないだって?・・・ふざけんな。

切れた口を拭きながら、去っていく二人を、呆然と見つめていた。


・・・何があっても、キスなんてするんじゃなかった。


後悔だけが、心の中に残った。