次の日から、私たちは一緒に登校するようになった。春馬は女の子たちに人気があるから、あちこちで、悲鳴が聞こえてきた。

「うざいんですけど・・・」

私の言葉に春馬が苦笑いをする。

「しょうがないじゃん。人気者だし」

悪びれない態度の春馬に、いちいち腹が立つ私。・・・クリスマスまで、もつか心配。

教室に入ると、晴香が飛んでやってきた。

「冬子、春馬と付き合ってるんだって?!」

「・・・まぁ、一応」

「そっけないわね。」

私は、晴香の耳に囁いた。

「当たり前じゃない。ほんとの恋人じゃないんだから」

晴香は、首をかしげた。

「どういうこと?」

「春馬にまとわりついてる子の魔除け・・・偽物カップル」

「うちの冬子になんてことさせるの!!」

怒った晴香が席を立った。私は慌てて座らせた。

「 クリスマスまでなんだから、いいのよ。」

「でも、冬子に好きな子ができたらどうするの?」

「その時は、偽物カップル終了させることになってるから」

「そうなんだ」

私の言葉にようやく納得のいった晴香は、自分の席に戻った。