「ホントに終わりなんだな…」

「うん・・・」

「送るよ。遠くまで連れてきたし…」

帰りの新幹線の中は、二人とも無言のままだった。

「じゃあ、オレ帰るわ」

「うん。送ってくれて、ありがと」

背を向けて帰っていく春馬。私はそんな後姿を、見えなくなるまで見つめていた。

私から、春馬の手を放してしまった。

これで、よかったのかな・・・

だって、こんな中途半端な関係は、苦しすぎるから。


始まったばかりの夏休みがこんなスタートになるなんて、思ってもみなかった。


こんな私の気持ちを察してか、晴香が毎日遊びに誘ってくれた。

「もうすぐ、夏休み終わっちゃうけど、春馬に会って大丈夫?」

心配顔の晴香。

「大丈夫…たぶん」

私は何とか笑顔を作った。