学校にも慣れたころ、私は突然、体育館裏に呼び出された。
「冬子、俺たち、付き合おう」
「は??」
突然の告白。しかも相手は・・・私の嫌いな春馬からだった。

「冗談やめてよ!他の子たちが、あんたのことイケメンとか、優しいとか言うけど、私、あんたのこと嫌いだから」

「・・・誰が、本気で付き合えって言った?」

「・・・意味わかんないんですけど・・・」

「今年のクリスマスまででいいから、付き合うフリをしてもらいたいんだ」

「なによ、それ?」

「苦手な女から付きまとわれてるんだ。・・・頼むよ」

「そんなの、他の子の頼めばいいじゃない!いくらでも付き合ってくれると思うけど」

睨む私に、手を合わせながら頼む春馬。

「他の子じゃダメなんだ。・・・お前と付き合ってるって言っちゃって」

「バカじゃないの。冗談でも、そんなこと言わないでよ!」

「もう、言っちゃったし…」

私はため息をついた。

「・・・わかった。クリスマスまででいいのね?」

「うん。」

「一つ、条件があるんだけど。」

「なに?」

「私に好きな人ができたら、この約束やめてもいい?」

「・・・わかった。いいよ」

こうして私たちは、期間限定の恋人になった。