高野先生の腕のなか




私は、胸に抱えたテキストと、数学教諭室の扉を交互に見つめた。


なんだかんだ言って、結局は三木先生の作戦に頼るしかないのだ。


普段とは違った気持ちで、ノックする。


奥の机に座っていた高野は私を見ると、少し驚いた顔をした。


「どうしたの、山崎さん。今日はノートはないけど…」



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