気になる事がいっぱいで頭が痛くなりそうだった。
だけど二人の関係に首を突っ込むわけにもいかず、あたしはしゃがんでいた身体を起こして、立ち上がった。
パンパンとエプロンを手で払うと、優木くんはポツリとあたしの頭上に言葉を残す。
「ここで…働いてたんだな」
「優木くんの…彼女って…」
聞きたくなくて耳を塞ぎたかったけど…聞いてしまったから仕方ない。
グッと堪えて返事を待った。
「ノゾミだよ」
ノゾミ…店長さんの名前だった。
案の定、優木くんは店長と付き合っていた事を知り、胸がギュッとなる。
店長が浮気…?
あんなに純粋そうで一途そうな店長が…?
あたしにとって衝撃の事実であり、悲しすぎる現実だった。

