初恋が終わる頃に






上野先輩の言葉が胸に引っかかった。



多分、店長と上野先輩は同い年の21歳。



同い年同士、普段から仲も良くて色んな話はしてきただろう。



それじゃ…本当なの?



優木くんは店長に目を向けたが、次にカウンターの端にいたあたしを見た。



「何でお前の事見てんだ?」



郁人がコソッとあたしに問いかける。



郁人は優木くんの事をまだ話してはいなかった。



真美にだけしか話していなかったから…きっと郁人は何も知らない。



「佐倉…?」



あたしの名前を覚えてくれていた優木くんは、驚いた表情が隠せないようだった。



あたしは思わず、無視して事務所に逃げ込む。



郁人に一瞬止められたが、今は何故か優木くんを見たくない。



だけど一番は…店長を見たくない。