見覚えのある、久々に見たあの姿。 「…優…」 「優木…?」 あたしが言う前に、店長がポツリと呟いた。 何で店長が優木くんの名前を知ってるの? もしかしてここの常連さんだった? 郁人は平然に"いらっしゃいませ"と軽く声を上げた…が、何となく空気を読んだらしい。 郁人はあたしに近づくと、小声で話した。 「あれって、店長の彼氏さんかな」 「……」 そうじゃ、ないよね? 本当の事は優木くんと店長しか分かんない事だった。 だけど上野先輩が後ろから話に割り込んでくる。 「…そうだったら?」