YONAGO-LOVE STORY【1】


『孝次…ちょっといい?座るよ』

「……いずみ」

『びっくりの連続だったね…お互い。疲れた?孝次』

「そりゃ~オマエ!止まってた時間がまたいきなり動き始めたんだよ…マジすげぇよ…
あはは!さっきからオレ、頭が付いて行けてねぇやッ…これは現実かよ~」
『夢じゃないわ…』

「いずみさ…オレがあの時一方的にお前を切ったこと怒ってんじゃねーのかよ?」

3年とちょい前だ…

『そりゃ~怒ったわ!!あたしは振られた側だもん、未練タラタラでさ…でも吹っ切らなきゃならない!って携帯番号もメアドもすぐ変えた』

「…オレもすぐ消した。でも別れて一ヶ月もしねぇうちに…オマエの番号を消した事を後悔し始めて、そして別れた事自体もな…別れなきゃ良かった…!!」

『…別れてからもずっと貴方を忘れられず、あたしも辛かった…今も好き、っていうその気持ちの方が勝っちゃった…だから、あたしを振った貴方を許せたの。やっぱ人間許すことも必要なんじゃないかな』

孝次は真っ直ぐにアタシを見つめながら…

大粒の涙を溢す…

スーッ…と頬をつたい流れて落ちる…

アタシは改めて
この男の…
なんというか
強さと優しさみたいなものを今肌で感じている。

堂々と涙流しながら
相手の目をみれるという…


「綺麗…孝次…貴方の涙は綺麗過ぎるわ…」

男の涙って…本当
なんて美しい!!

アタシも瞬きすることなく
孝次の目…見つめていた…
…そして