YONAGO-LOVE STORY【1】


「いずみぃーーー!!」
「おねーちゃーん♪」
すると…ツカツカ足早にこっちに向かってくる女…

…いずみオマエだよ…
見失わなくてよかった…改めてこうして顔をしっかり見ながら、まさかまた話が出来るなんてな!

捕まえられて心からホッとするオレに
いずみは

「孝次!あんた何さっきからアタシの名前をデカイ声で!恥ずかしいにも程があるわ!」

そのお前の怒った顔…怒りに任せた口調…
変わってねぇなオマエは。

「お前突然に居なくなるなよな…ねぇ?何でだよ?」

「あれから3年よね…あんたを忘れたことなかった…」

「聞いたことに答えろお前!なぜさっきいきなり消えたんだよ!!」

『孝次、あんた奥さんは今別行動?』

『なるほどな…そういう事ね…』

『当たり前よ。貴方は…だって…もう結婚してるから…』

泣き出すオマエにオレは

『オレだって忘れてねぇわ!オマエの事は。

忘れろ!って言われても 忘れるわきゃーねぇぞ』

再会を心から祝するべく ハッキリ言い放った。

…そして
女房のことも…

『嫁は居ねぇ!オレは独身だ!

言うなッ!!女房の事は!』

オレがそう言うとやっとこの女は顔を上げた。

『奥さん…ああそうだったのか?

あんたとの再会。さっきまではすごく悲しかった…。でも貴方を一目だけでも見られた事を喜んだわ。…本当にあたし姿を消してしまうところだったね…

孝次
貴方も色々あったみたいだけど

前向きに生きてね』

オレはティッシュペーパーを取り出すと

いずみの手に握らせた。
『コイツで鼻をかめや!涙も拭け!』

『孝次…』

『少し痩せたかオマエ』