「いずみぃーーー!!」
「おねーちゃーん♪」
すると…ツカツカ足早にこっちに向かってくる女…
…いずみオマエだよ…
見失わなくてよかった…改めてこうして顔をしっかり見ながら、まさかまた話が出来るなんてな!
捕まえられて心からホッとするオレに
いずみは
「孝次!あんた何さっきからアタシの名前をデカイ声で!恥ずかしいにも程があるわ!」
そのお前の怒った顔…怒りに任せた口調…
変わってねぇなオマエは。
「お前突然に居なくなるなよな…ねぇ?何でだよ?」
「あれから3年よね…あんたを忘れたことなかった…」
「聞いたことに答えろお前!なぜさっきいきなり消えたんだよ!!」
『孝次、あんた奥さんは今別行動?』
『なるほどな…そういう事ね…』
『当たり前よ。貴方は…だって…もう結婚してるから…』
泣き出すオマエにオレは
『オレだって忘れてねぇわ!オマエの事は。
忘れろ!って言われても 忘れるわきゃーねぇぞ』
再会を心から祝するべく ハッキリ言い放った。
…そして
女房のことも…
『嫁は居ねぇ!オレは独身だ!
言うなッ!!女房の事は!』
オレがそう言うとやっとこの女は顔を上げた。
『奥さん…ああそうだったのか?
あんたとの再会。さっきまではすごく悲しかった…。でも貴方を一目だけでも見られた事を喜んだわ。…本当にあたし姿を消してしまうところだったね…
孝次
貴方も色々あったみたいだけど
前向きに生きてね』
オレはティッシュペーパーを取り出すと
いずみの手に握らせた。
『コイツで鼻をかめや!涙も拭け!』
『孝次…』
『少し痩せたかオマエ』



