「あんた孝次?」
あたしは思わず男にそう話しかけた。
向こうもあたしを見ながら…
グラサンをゆっくり外す…
『やっぱり孝次だ…
あたしを覚えてる?
久しぶりです!』
『オマエいずみか…?』
子供を怒り跳ばした直後だったから
表情が怖い…
また驚きも同時に隠せないその視線はあたしを一直線に見てくる…
じっと見てくる…
回りの客、通行する客は 各々に動きを止めてあたしたちをジローッと見てる。
孝次が怒鳴る!
「お前ら何見てんだよ!!オレらを見せモンにすんじゃねぇよ!!」
…変わってない
変わってないよあんた… 孝次…
その荒々しい言葉つき… オラオラな喋り、態度…
昔愛してた
紛れもなく
貴方でした…



