ネクタイを緩めながら
少し動揺気味に
「いらっしゃい!
櫻の彼女かな?」
と聞く父さん。
日和はコクっと頷いた。
ゆっくりしていきな!
と父さんは
言いながら
寝室に来替えにいった。
今日は日和も含めての
夕飯。なんだか
不思議な気持ちだった。
部屋にもどり
座る俺達。
「櫻くんのママすごく
美人だね!パパも
少し櫻くんに似てるね」
と緊張の糸がほぐれたのか
話し出す日和。
「母さんにそんなこと
いったら調子に乗っちゃうよ」
と笑いながら話す俺。
とても不思議な気持ちだ。
今まで味わったことのない気持ち。
恋愛ってやつは
色んなことを教えてくれた。
ありがとう、日和。
「櫻ー!日和ちゃん!
夕飯の支度ができたわよ」
一階から母さんの
呼ぶ声がする。
「わかったー!」
と軽く返事をして
日和の手を引き
リビングに向かった。
リビングに
入ると夕飯の薫りが
食欲を刺激する。
夕飯をテーブルに
並べながら
「日和ちゃんどうぞ
適当に座ってね。」
「はい!ありがとうございます。」
と言いながら俺の横に
座る日和。

