櫻色~笑顔の素敵な君~


そして、遂に
櫻くんに出逢う
入学式当日。

わたしは
緊張しすぎて
倒れそうだった。

家を出るとき
ママがこうわたしに
言った。

「日和?あなたの名前の由来は
この空のように晴れ日和みたいな
子に育ってほしくて
日和という名前をつけたわ
辛くなったら空を見上げなさい。」

ありがとう、ママ。

大きく深呼吸して
わたしは教室に入った。

でもわたしは
この時間違えて
櫻くんの
席に座ってしまってた。

間違いに気付かない
わたしに初めて
声を掛けてきたのはそう、
櫻くんだった。

きれいな髪色
吸い込まれそうな
大きな二重の目
耳に輝くシルバーのピアス
口元はキラリとひかる八重歯。

誰がどう見ても
美男子がわたしの
目の前に立っていた。

こんな綺麗な男の子
見たことがなかった。

でもこの時どこかで
見たことがある気がした。

そんなあなたは
すり剥いたわたしの
脚を消毒してくれたね。

色々話しをしているうちに
思い出した。
あなたがテレビで
大活躍していた俳優
だったこと。

優しく傷の手当てを
してくれる。
わたしは他人に
これほど優しくして
もらったことがなかった。

入学式のあとに
声を掛けてくれた
佳奈。はじめは
怖かったけど
櫻くんの友達だし
話してるうちに
恐怖心が和らいでいった。