「なにいってんだか。さっくんおはよ!」
再度挨拶する佳奈。
「おはよ!佳奈
気合い入りまくりだな!」
「あったりまえだよ!
入学式だよ?ってかさっくん
髪色変えてるー!その色も
よく似合ってるよ。」
そう俺の髪色を褒める佳奈。
やっぱりこの色にして正解だな。
「こらーっ櫻!佳奈は
俺のもんだっ!」
と吠える佑樹。
佑樹はすげー
やきもちやきで
中学の頃に
佳奈に絡んでた隣のクラスの
奴を殴ったり。
「誰も取ってねーだろw
ほんと嫉妬の塊だな!
佳奈こんな俺の相棒を
末永くよろしくなw」
「いえいえ。こちらこそ
ばか彼氏と仲良くして
あげてw」
「おい!だれが
馬鹿だよw」
そんな他愛もない話を
しているとあっという間に
学校についた。
校門をくぐると
桜の木が俺達を出迎えた。
「おい!櫻!
あそこにクラスの割り当てが
貼ってあるぜ!」
佑樹の指さす
方向
には
自分のクラスを
確認する新入生で
溢れていた。
人混みが嫌いな
俺は「佑樹!悪いんだけど
クラス割り見てきてよ。」
「おう!任しやがれ!」
と勢いよく佳奈の手を
引き掲示板へと走り出した。
「走んな!ばか佑樹!」
佳奈の大きな声が聞こえてきた。
佑樹達が帰ってくる
間に一人桜の木の下で
待つ俺。
すると二人の女子生徒が
こっちを見ながらなにやら
話をしている。
「あそこにいるのって
大倉櫻君じゃない?」
「えっ?まじで?
うちらと高校一緒だったんだ!
生で見てもやっぱり
カッコイイね!」
「ねえ?声かけに
いかない?」
俺はその話が
聞こえてきたとき
寒気がした。
やっぱりどこ行っても
この扱いなことに
うんざりしていた。
ほっといてほしいよね。
案の定その女子生徒が
声を掛けてきた。
頬をほんのり
染めた少女達は
まるでダイヤを見つめる
ような瞳でこう問いかけてきた。
「あの…すみません
大倉櫻さんですか?」
無視したい気持ちが
マックスだったけど
つい現役だったころの
癖で営業スマイルを
出してしまった。
しまったと思っても
後の祭り。
目があってるのだから無視
するわけにはいかない状況。
俺は仕方なく
「そうですけど
なにか?」
と応えてしまった。
すると女子生徒らは
「きゃーっ!やっぱり?
ドラマ見てました!一緒の高校とか
まじ感動です。握手して下さい!」
「いやいや俺もう
芸能人じゃないから」

