櫻色~笑顔の素敵な君~


「そーいえばさ
日和ってなんで
まだ長袖なの?」

そうこの一言で
日和の表情が
変わった。

うつむいたまま
動かない日和。

「どーした?日和。」

そう言って顔をのぞき込む

日和?
この時はごめんね?

ポロポロと大粒の
涙をこぼして
震えて泣いている
日和。

俺は訳が分からなくなる
なってしまった。
どうしていいかわからず
とりあえず
日和が落ち着くまで
頭を撫でた。

10分くらい
頭を撫でたとき
日和が重い口を
開いた。

「ごめんね?
急に泣き出したりして」

「いやいや
俺のほうこそごめん!」

「わたし櫻くんや
佳奈や佑樹くんに
隠してることがあるの」

俺は胸がドクンとなった。

「隠し事?」

そういうと日和は
ブラウスの袖ボタンを
外し、袖を捲った。

俺は目を疑った。

そこには
無数の根性焼きの跡
リストカットの傷
俺は気付いたら
日和を抱きしめていた。

俺の体にすっぽりと
おさまる小さな体。
この小さな体で
すごくでかい
心の傷を一人で
背負ってたんだな