玄関を出て門を抜けると
金髪に鼻にピアスを
つけたいかにもチャラそうな
佑樹がそこにいた。
「相変わらず奇抜だなw」
「目立ってなんぼだしっ!
あれ!?髪色かえてんじゃん
前のも良かったけど今回もいい感じ
じゃん!大人っぽいわー!」
「高校デビューってやつ?w」
「櫻はそんなこと
しなくても十分カッコイイのに
またモテる気ですか?w」
「そんなつもりじゃないよ!
てか俺ってモテてんだ。」
そう佑樹に告げると
「いやいやいやいや!
何言ってますやら!
世の乙女達のハート泥棒がw」
「なんだよ!ハート泥棒ってw
そういえば佳奈とは高校一緒
なんだっけ?」
佳奈とは
佑樹の彼女で
よく一緒に
俺が出てた舞台とか
見に来てくれてた。
「おう!佳奈も一緒だぜ
あいつ受験前に必死に
俺らと一緒の高校通うために
勉強してたからなー!」
俺らの通う
美波大付属皐月学園高等学校
通称皐高は
そんなに偏差値高くない高校
だけど佳奈は折り紙付きの
頭の悪さだ。
「そんな頑張り屋の佳奈も
素敵だーっ!」
朝から佑樹の
惚気話を聞くのも
嫌いじゃないけど。
「てか櫻彼女とか
つくんねーの?」
「彼女?んー…
考えたこともないかも。」
「まじかよっ!もしかしてお前…
こっちか?w」
とオカマ風のポーズを
とる佑樹に
「違うよ。恋愛とか
誰かを好きになったことねーし
今までは仕事忙しかったから。」
「まーたしかに
櫻は売れっ子だったもんな
お前が事務所やめた時は
マスコミとかすごかったなw」
「間違いない!」
そんな話をしていると
「佑樹ーっ!さっくんおはよ!」
元気よく声を
掛けてきたのは
佑樹の彼女の佳奈だ。
やはり入学式って
こともあって気合いの
入ったメイクに髪型だ。
綺麗に巻かれた髪が
炭酸のように弾けている。
「おはよー佳奈!ってか
お前スカート短いんだよ!
他の男子どもにみられたくねーよ」

