櫻色~笑顔の素敵な君~


「わたしね
辛いとことか
悲しいがあったら
いつも空を見上げるの!」

「そーなんだ。
空が好きなんだな。」

「うん!辛いときに
空を見上げなさいって
小さい時にママに教えて
もらったんだ。」

そう語る日和の顔が
なんだか辛そうに見えた。

そう、この時
空は唯一の日和の
味方だったんだ。

でも日和の秘密を
知ることになるのは
まだ先のこと。

「でも俺も園村の
こと好きなわけじゃないし
他に好きなひとが…っ」

俺もつい勢いで
好きなひとがいることを
言ってしまった。

それを聞き逃さなかった
日和は

「えっ!?櫻くん
好きなひといるの?」

案の定食いついてきた。

「誰だれ?
おしえてよ?」

「なんでだよっ
逆に日和はいねーのかよ?」

「わたしは…」

そういうと
顔を真っ赤にしたまま
黙り込んでしまった。

俺はまた複雑な気持ちに
なっていた。

「今は言えない…。」

そう告げた日和。

「じゃあ俺も言えないw」

意地悪してみた。

「んーっ!じゃあ
お互い言えるようになったら
言い合いっ子しよっ?」

そう提案する日和の笑顔。
そうやってまた俺の心を
無意識のうちに虜にする
お前はほんとに罪な女だったよ