どこ行っちゃったんだよ。
そうだっ!
俺はおもむろに
携帯を取り出し
日和の番号を出した。
初めて電話掛けるかも…
プルルル……
プルル…プツ
「只今電話に出ることが……」
留守電かよ…。
この時俺は
直感的にある場所が
頭に浮かんだ。
あ…屋上かも。
そう思った俺は
屋上へと走った。
5階建ての
校舎の階段を駆け上がり
屋上に繋がる扉を
ひらいた…。
扉をあけると
そこには
小さく丸くなって
座っている日和の姿が。
やっぱりここか。
俺は日和のもとに近づいた。
「日和、心配したんだぞ?
電話も掛けたのに…」
そう語りかけるように
日和の顔を覗くと
うっすらと
涙を流していた。
「えっ!?
日和泣いてるの?」
そう恐る恐る聞くと
「……ごめん
わたし見ちゃったんだ
櫻くんと園村さんが
中庭のベンチで仲良く
話してるの…」
「見てたのか…」
「櫻くんは
園村さんのこと
好きなの…?」
俺はどきっとした。
「なんで?」
俺は聞き返した。

