街を散策していると
不意に声をかけられた。
「あのっ!すいません
大倉櫻さんですよね?
ファンなんです!サインください!」
しまった
サングラスを忘れてしまった。
完全にやめたとはいえ
世間じゃ僕はまだ
有名人だったんだ。
「えっともう
芸能界やめたし
そういうのはちょっと…」
困惑気味に応えると
「だめですかー?
ってかなんで芸能界
やめちゃったんですかー?」
俺の一番嫌いな
質問が飛び出した
この日俺は日和の
こともあり、
むしゃくしゃしていて
つい、
「あんたに関係ないだろ?
あんたはマスコミ関係の記者か?
引退する時も記者会見開いて
言っただろ?俺のファンなら
それくらいみてろっ」
とつい声を荒げて
しまった。
女の子は
えっ?という表情を
浮かべその場から
離れていった。
辺りをみると
俺の声にびっくりした
通行人がこっちをみていた。
気まずくなった
俺も、その場から離れた。
夕飯も結局コンビニで
済まして帰宅した。
リビングに入り
テレビをつけた。
お弁当をレンジで温める。
テレビをつけると
毎日おんなじ
ような内容のニュースばかり。
するとある
映画の舞台挨拶の
映像が流れた。

