「わたしは
櫻をアメリカに
連れていくわ。」
「あいつにだって
決める権利がある
それに櫻だってこっちに
友達だっている、
本人に決めさせるべきだ。」
なにやら俺のことで
揉めてるみたいだ。
「わたしは
あの子に母親らしいこと
何ひとつしてあげれてない
幼い頃から事務所に
通わせて、それに
私達夫婦は共働きで
あの子はいつも一人
ご飯も小さい頃から
ほぼ一人で食べていた」
俺は涙が出そうだった。
俺は親から
愛されてるなんて
思ったことがほとんどない、
家族の思い出も。
もちろん親孝行も。
俺はきめた。
次の日、俺は佑樹と佳奈に
アメリカに行く事を話した。
「そうか、頑張れよ
離れても俺たちは相棒だからな!」
と言ってくれる佑樹。
「寂しくなるね。」と少し
涙目の佳奈。
俺はこの時
心の中で
まだひとつ揺らいでいた
事があった。
そう日和だ。
このまま
なにも言わずに
アメリカに行こうか。
悩んだ。

