「それは、転勤ってこと?
俺と母さんはどうなるんだ?」
「母さんも
うちの会社で
専務取締役という
立場でアメリカ進出には
かかせない人材なんだ。」
「俺は?俺は
どうしたらいいの?」
「お前もあと1年で
卒業だ、こっちに
一人で生活できるなら
毎月必要なお金は送るし
もちろん一緒にアメリカで
暮らすのもかまわない
櫻次第だな。」
「母さんは
なんていってるの?」
「母さんはお前のことが
心配で心配でたまらないみたいだよ。」
「いつアメリカいくの?」
「遅くても年明けには
アメリカに引っ越さないと
いけない。」
今は11月。
年明けなんて
すぐだ。
「すこし考える。」
分かったといって
父さんは部屋から出ていった。
アメリカに行けば
もう日和には逢えない。
佑樹や佳奈にも。
でも母さんの
気持ちも分かる。
俺は悩んだ。
その日の夜中
俺は目が覚めて
喉が乾いたので
リビングに向かった。
するとリビングでは
父さんと母さんが
なにか話している。
まだおきてるのか?

