櫻色~笑顔の素敵な君~



聞こえてきたのは
すすり泣く声。


日和は泣いていた。


またなにか
嫌がらせでも受けているの
だろうか?


そのまましばらく
聞いていた。


その時、

俺の携帯が鳴り出した。

俺はやばいっ!
と思って逃げようとしたが
日和はすでに振り向いて
俺の存在に気付く。

「櫻くん?」

久しぶりに俺の名を呼ぶ日和。


「夜風に当りたくて
そしたら人影がみえたから」

俺はなにか
悪いことしていた
気分だった。


「わたしも
夜風に当りたくて…」


俺はこのまま
この場所に
いられないと
おもってその場を離れようと
したとき、

「待って!」と
日和に呼び止められた。

なに?と冷たく言うと


「櫻くんは
もう違う子と付き合ってる
みたいだね、
でもわたしは前に進めないよ…
まだ好き……。」

俺は苦しくなった。