俺はそれほど
修学旅行を楽しみには
してなかった。
なんか、日和と別れてから
日和と出逢う前の自分に
戻っていた気がした。
なにに対しても
興味がもてない。
当然、2年生になって
新しいクラスの連中には
心に壁を作っていた。
しかし唯一
気を許せるやつが
いた。
それは去年文化祭で
一緒にバンドをした
ときのメンバーの
ベースを演奏していた菊池だ。
あの文化祭から
俺と菊池は
打ち解け合っていた。
2年になっておんなじクラスに
菊池が居てくれて助かった。
菊池は
背が高く、
黒髪で黒縁の伊達眼鏡を
かけている。
インテリ系で
ひそかに女子から
人気があるみたいだ。
しかし中学の頃から
付き合っている彼女が
違う高校にいるらしい。
俺は長続きしている
カップルを尊敬していた。
佑樹と佳奈にしろ
喧嘩はするものの
お互い仲はとてもいい。
そんなふたりが
いつも羨ましかった。
俺と日和は
どうすれば
あんな二人のように
なれたのだろうか?
そんなことを
考えていたらため息が
とまらない。

