大野さんは
なにかと親切なひとで
とても気さくな性格だった。
「大倉くん!さっき
話てた子だれ?彼女?」
ときく大野さん。
千晶のことだと思い、
「違いますよ!」と
缶コーヒーを飲みながら
答える俺。
「そーなんだ、てか
大倉くんは彼女いないの?」
「はい!今はいないですね」
「今はってことは
前にいたんだ」
「はい!別れましたけど。」
そう答えると
「高校生なんてこれから
まだまだいくらでも
恋できるじゃん!大倉なんて
顔もカッコいいんだし、
結構うちの店の女の子
大倉くんのこと
噂してるよ!」
とタバコを吸い
笑いながら話す大野さん。
大野さんは
大学生四年で
就活の真っ最中らしい。
付き合って
3年になる彼女が
いるらしい。
3年も付き合っていて
別れとか考えなかったのか
気になった俺は質問した。
「あの、大野さんは
彼女と別れようとか
おもったことないんですか?」
そう質問すると
大野さんは
タバコを灰皿に捨て
「あるよ!てか
3年付き合って
間で2回くらい別れてるよ
3年も一緒にいれば
相手の嫌な部分とか
嫌でも目につくけど
別れてから気づくんだよ
相手の存在の大きさを。
」

