そしてそんなある日、
わたしは耳にしてしまった。
わたしの腕の傷のことを
話している人達の会話を
「櫻くんの彼女の
黒崎日和ってさー?
腕にものすごい
リストカットの傷あるって
しってた?」
「まじで?
櫻くん知ってるのかな?」
「さー?知ってるんじゃない?
でもわたしが見た時は
まじで鳥肌が立ったし、
あんな傷たらけの女のどこが
いいんだろうね?」
その会話を聞いてしまったわたしは
怖くなり逃げ出したの。
そして気が付くと
カッターで腕を切っていたわたし。
でも櫻くんが
このことを知ったら
きっと心配すると
おもい、出来る限り
強がった。
そして櫻くんが
休み出して
二日くらいたった日
わたしは佳奈から
櫻くんが学校で暴れた理由を
聞いた。
やっぱりわたしのせいで
喧嘩になったんだ。
わたしは
後悔した。
俺は日和から
話を聞き終えると
また涙を流した。
「黙っててごめんなさい。」
とあやまる日和。
結局俺が
気づいてやれなかったからだ
日和の強がりに。
毎日一緒にいたのに
気付けなかった自分に
腹が立った。

