少し古ぼけた
椅子に日和を座らせると
俺は救急箱を開き
消毒液と絆創膏を探す。
「えーっと消毒液ーっと
あったあった」
消毒液と絆創膏を手に取り
日和の傷口を消毒液を
染み込ませたガーゼで当てる。
「大丈夫?滲みたりしない?」
そう日和に問いかけると
「大丈夫です
なんかすいません
わたしが勝手に転んだのに」
「いいよ
気にしないで」
と応えると日和は
「てか櫻さんは
この辺に住んでるんですか?」
と話題をすり替えてきた。
「そーだよ
学校からバスで20分くらい」
「そーなんですかー
わたし最近この街に引っ越して
きたから。」
そう応える日和。
しかしそう応える日和の
顔はなんだか
悲しそうにみえた。
ねえ?
日和?
俺にあの時
過去を話してくれて
ありがとうな?
辛かったよな?
でも日和の過去を知るのは
まだ先のこと。
「よし!できた!
また転んだら言ってねw」
手当てを終え日和に
こう応えると日和は
「はいっ!また転んだ時は
お願いします!」
と太陽のような笑顔で
応えると日和。
時計を見ると
8時45分
やばい!
確か教室に
集まる時間が
8時40分だったはず

