気づいたら午前の授業全てが終わりかけてた。
ずっと窓の外を見ながら坂田くんのことを考えてしまった。
慌てて黒板に目を向けようとすると、左隣りの男子に急に声をかけられた。
「なぁ、3時間もずっと外見て何考えてたの?」
「えっ…?」
「ずっと気になってたんだけど。」
男子は笑いながら聞いてくる。
「べ…べつに。何も。」
「嘘つけ。何も考えないで3時間も外見るってバカか。お前、名前は?」
「別になんだっていいでしょ。私は鈴木 由里。」
「鈴木ね。俺は宮下 信明。よろしくなー。」
「うん。」
よく見てみると、スポーツやってそうな男子だ。
「てか鈴木って、バド部だった?」
「そうだけど…なんで知ってるの?」
「中学の地区大で見たことあった顔な気がしてさ。やっぱりそうだったか。」
「え?!そうなんだ!」
思わず大声が出てしまった。
「おい、そこ…鈴木と宮下。お前らうるさい。黙って聞いとけ。後で荷物運びやってもらうからな。」
運悪く、今は担任の授業だったみたい。
与えられた罰に嫌気を感じながらも、とりあえず「はい」と返事した。
怒られたので、こしょこしょ話で会話を続ける。
「鈴木は高校でもバドやる?」
「うん、やるつもり。」
「良かった。俺もやるんだ。」
「そうなんだ。」
「でさ、今日放課後見学行ってみないか。試しに。」
「いいよ。今日は暇だし。」
「決まりだな。」
「うん。」
約束を取り交わすと、タイミングよく授業が終わった。

