「おまえ、他の天使とは違うようだな。いや、天使ですらないのか。一体何者なんだ。」

「そんな事聞いて、何になるってのよ。あんたには関係ないわ。」

私はぶっきらぼうに返した。

「天使と、はっきりは認めないんだな。」

「…だから?」

もう一度ぶっきらぼうに返すと、悪魔はふっと小さく微笑む。

「変なやつだ。だが、変な奴って思わせるほど、お前には天使らしからぬ個性を持っているのだな。」

「個性?」

「そう、個性だ。天使は面白味もないくらい無個性で、容姿も背丈も一緒だからな。お前には天使のそんな所がない。」

「何を…言って…。」

私には悪魔の言っている事が飲み込めなかった。

だが、そんな反応も彼を微笑ます材料になってしまったようだ。

「どうしてお前のような切れるやつが、神族側にいるんだ。奴等は裏でとんでもない事を企んでいると言うのに。」

「企み?」

「何、気づいていなかったのか?お前なら神族に操られる事もないだろうから、この戦いの真偽を知ったら絶対に神族側に反抗していただろうに…。」