使いにくそうだが、ひとたびあの武器の餌食にでもなれば、良くても体が真っ二つに…悪ければ粉々にもなりかねないだろう。

一寸たりとも微動だにせず構えをキープしていた悪魔は、しばらくの沈黙の後、口を開いた。

「ただ者じゃないな、お前…」

「それはこっちのセリフ。あんなに速い攻撃、私は見たことない。」

私はお世辞でもない、素直な気持ちを答えた。

あの素早さでこの重い一撃だ。そこらの悪魔とは格が違うのは目に見えて明らかだった。

悪魔は踏み込みに入った。

私は迎え撃つ様に構えを変える。

そして一瞬後、凄まじいスピードで突っ込んでくる悪魔。

(上薙ぎ!?)

素早く繰り出された攻撃は予想通り上薙ぎだった。

私は間一髪のタイミングでその攻撃を交わす。

だが悪魔の槍は天を突き上げた状態からすぐに刃先がこちらに向き直り振り下ろされた。

たまらず抜き身だった剣でそれを防ぎ、相手を押し込み間合いを取った。

だがその間合いはすぐに0に近づく。

悪魔の更なる攻撃、今度は私も反撃に出た。