私は墓の前から少し離れて、花を刈り始めた。

手でむしるのは気が引けたから、ポケットからバタフライナイフを出して、それで刈っていった。

適量刈ってから、私は墓石の前に何輪かずつ花を供えた。

「私、頑張るから。」

ひさしぶりに喋った。
ずっと独断行動だったから、言葉なんて必要なかったのだ。

一段と低くなった自分の声に、少し驚いた。

バタフライナイフをしまうと、髪を撫でるような風が吹いた。

きっと、あの3人が頑張れって言ってくれたんじゃないかな。