お昼になった。
「牛乳を搾ってきてちょうだい」
と頼まれたので、私は小屋に行った。
バケツを軽く水で洗って牛の乳の下に置いた。
牛も搾られるのは慣れているので、暴れるようなことはなかった。
私は乳をゆっくりと搾っていく。
バケツに半分ぐらい溜まってきた、その時だった。
別の小屋から馬が飛び出してきたのだ。
かん高く鳴く馬には、焦りという感情が見られた。
私は何かあったのだろうかと、一旦牛から離れた。
小屋の外に出ると、2、3人の保安官が銃器を持って立っていた。
「お前はアビゲイルだな。親を呼んでこい」
「え…そ…そんな…」
「早くしろ!」
保安官の声が意外と大きかったらしく、父さんが家から出てきた。
父さんの左手にはアサルトライフル、右手にはショットガンを持っていた。
「父さん!」
「来るなっ!…これは俺のせいだ。ガブリエルと一緒に逃げてくれ!」
「ダメよ!私も…」
そう言いかけた時、父さんは構えていた銃の銃口を少し下に向けて優しくこう言った。
「これ以上、家族を減らしたくはないんだ。言うことをきいてくれ、アビゲイル…」
私は途端に死んだ兄さんのことを思い出した。
兄さんの為にも、死ぬことはできない…!
私は大きく頷き、口笛で馬を呼んだ。
母さんもすぐに来て、2人で馬に乗ってその場から去った。
私は母さんの後ろに乗った。そして、小さく振り向いた。
もう戦闘は始まっていて、辺りには銃声が響きわたっていた。
父さんはショットガンをぶっ放しながらライフルをぶっ放していた。
父さんの姿を見たのは、それが最後だった。
「牛乳を搾ってきてちょうだい」
と頼まれたので、私は小屋に行った。
バケツを軽く水で洗って牛の乳の下に置いた。
牛も搾られるのは慣れているので、暴れるようなことはなかった。
私は乳をゆっくりと搾っていく。
バケツに半分ぐらい溜まってきた、その時だった。
別の小屋から馬が飛び出してきたのだ。
かん高く鳴く馬には、焦りという感情が見られた。
私は何かあったのだろうかと、一旦牛から離れた。
小屋の外に出ると、2、3人の保安官が銃器を持って立っていた。
「お前はアビゲイルだな。親を呼んでこい」
「え…そ…そんな…」
「早くしろ!」
保安官の声が意外と大きかったらしく、父さんが家から出てきた。
父さんの左手にはアサルトライフル、右手にはショットガンを持っていた。
「父さん!」
「来るなっ!…これは俺のせいだ。ガブリエルと一緒に逃げてくれ!」
「ダメよ!私も…」
そう言いかけた時、父さんは構えていた銃の銃口を少し下に向けて優しくこう言った。
「これ以上、家族を減らしたくはないんだ。言うことをきいてくれ、アビゲイル…」
私は途端に死んだ兄さんのことを思い出した。
兄さんの為にも、死ぬことはできない…!
私は大きく頷き、口笛で馬を呼んだ。
母さんもすぐに来て、2人で馬に乗ってその場から去った。
私は母さんの後ろに乗った。そして、小さく振り向いた。
もう戦闘は始まっていて、辺りには銃声が響きわたっていた。
父さんはショットガンをぶっ放しながらライフルをぶっ放していた。
父さんの姿を見たのは、それが最後だった。