私はしばらく町を歩いていたみたいだ。


駅からここまでの記憶がない・・・


ただひたすら歩いて泣いている。






『こんなことしてないで早く帰らないと・・・』





そう思ったとき目の前が真っ暗になった。







ドンッ・・・


「ご、ごめんなさいっ!!」


私は誰かにぶつかった。




すると相手は私の顔を覗き込んできた。



「君。泣いてるの?大丈夫?」



不覚にも


知らない男に


泣き顔を見せてしまった。



最悪・・・


「だ、大丈夫です」


そういって私は家までダッシュした。