朝から疲れ切っていた私は


午後の授業をさぼって屋上で過ごしていた。



だるい授業も終ったみたいだし


帰ろうかな・・・





そう思って振りかえったとき

目の前には見覚えのある顔があった。



「あ・・・」


「やっぱり君だったか・・・昨日は大丈夫だった?」




そう・・・アイツ・・・




「何の御用ですか?」


「そんなに警戒しないでくれる?」


「いきなり話しかけてきたのはあなたでしょう?」


「ごめんごめん。
 昨日泣いてるとこみてちょっと気になったから」


「あなたこの学校の生徒なんですか?」


「二年だよ。君より一個上だな。
 名前は長谷川大樹。よろしくね。優香ちゃん」


そういって、アイツ・・・

じゃなくて、長谷川大樹は

私の頭をポンッ、ポンッと叩いて去って行った。


『なんで私の名前知ってんの!?
 ・・・・・まさかぁ・・・』