暴力が始まったのは…イジメが始まってから一ヶ月たった頃だった。

机の中に手紙が入っていた
“放課後、体育倉庫にこい。”


名前は書いてなかった。誰からの手紙かはなんとなくわかったけど…

怖かった。


~体育倉庫にて~

ボコッガッガッボコッ

『う゛っ…ぐっ…ひぎぃっ』

『キャハハキャハハ!ひぎぃだって!豚みたい!』

『おいっ、太谷!お前さぁ…さっさと学校やめれば?目が腐るんだけど!』


『…本当だよねぇ』


私は今まで泣かなかった。

どんなことされても、言われても。

でも今回ばかりは泣いた。

だって痛いし…見てしまったから…

海斗君が笑ってるのを…

今まで…海斗君を見ないようにしてたけど…

今までもずっと傍観しながら笑ってたんだね?


心の中が真っ黒になって頭の中はからっぽになった。

涙は止まらない。

その後、何があって…どのように帰ったかなんて覚えてない。


ただ、今まで以上に悲しくて悔しくて惨めだった。